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公正証書遺言は公証人
によって作成されます。
遺言者がどういう内容の遺言を作りたいのか公証人と話し合いをしたうえで、公証人がワープロ等で文案を作成して、遺言者等が署名を自書します。
公正証書遺言は、家庭裁判所で検認の手続を経る必要がないので、相続開始後、速やかに遺言の内容を実現することができます。さらに、原本が必ず公証役場に保管されますので、遺言書が破棄されたり、隠匿や改ざんをされたりする心配も全くありません。
なお、証人が二人以上必要とされており、基本的に、遺言者が探して連れて行かなければなりません。
また、遺言者が高齢で体力が弱り、あるいは病気等のため、公証役場に出向くことが困難な場合には、公証人が、遺言者の自宅又は病院等へ出張して遺言書を作成することもできます。
<作成方法>
1、文案を考える
現在の資産(不動産、預貯金、国債、株など)を整理して、誰に相続させるか、メモにまとめましょう。
相続方法を確定したら、下書きを書いてみましょう。必ずしも、法律家的な文書にならなくてもかまいません。大切なことは、どのような結果をもたらしたいのかをはっきりと書くことです。
2、証人二人を探す
知人や親戚でもよいでしょう。行政書士等の専門家であれば、守秘義務があるため、他人に遺言の内容を知られることはありません。誰もいなければ、公証役場に相談すると、探してくれることもあります。
ただし、推定相続人等は、証人になれませんので注意が必要です。
(証人及び立会人の欠格事由)
第九百七十四条 次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
一 未成年者
二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
3、公証役場へ連絡して予約する
近くの公証役場へ連絡して公正証書遺言の作成日時を予約しましょう。たいていの公証役場は、即日対応してくれるわけではなく予約が必要です。必要書類なども確認しましょう。
その際、公証役場に遺言の内容(原案)と資産の内訳を説明し、遺言作成費用の概算を計算してもらうとよいでしょう。
4、公証人によるチェック
公正証書遺言の作成日時に、証人二人と下書きを持っていき、公証人にチェックしてもらいます。公証人が文案を基にして、公正証書遺言を作りますから、待ちましょう。(公正役場によっては、事前に原稿を送っておくようにいわれることもある。)
5、署名、押印する
公正証書原本が出来上がったら、公正証書原本への記載内容を確認し、遺言者と各証人が署名、押印します。
6、公正証書遺言を受け取る
公正証書遺言の正本と謄本を受け取り、費用を支払います。正本と謄本は、推定相続人や遺言執行者、受遺者等に預けておきましょう。
証人になってくれた方にもお礼をすることを忘れないように。専門家の場合は報酬も支払いましょう。
<メリット・デメリット>
メリット
・確実な方法である。
・法律家がチェックしてくれるので、間違いがない。
・言書が破棄されたり、隠匿や改ざんをされたりする心配がない。
デメリット
・公正証書遺言の作成費用は結構高い。
・証人探しとかが面倒。証人の報酬もかかる。
| 目的の財産価額 | 手数料 |
|---|---|
| 100万円まで | 5,000円 |
| 100万円を超え200万円まで | 7,000円 |
| 200万円を超え500万円まで | 11,000円 |
| 500万円を超え1,000万円まで | 17,000円 |
| 1,000万円を超え3,000万円まで | 23,000円 |
| 3,000万円を超え5,000万円まで | 29,000円 |
| 5,000万円を超え1億円まで | 43,000円 |
| 1億円を超え3億円まで | 43,000円に5,000万円超過ごとに 13,000円を加算 |
| 3億円を超え10億円まで | 95,000円に5,000万円超過ごとに 11,000円を加算 |
| 10億円超 | 249,000円に5,000万円超過ごとに 8,000円を加算 |
・遺言の場合は、相続人、受遺者毎に価額を算定して合算。不動産は、固定資産評価額を基準に評価
・相続、遺贈額合計が1億円に満たないときは、11,000円を加算
・紙代として、数千円を加算
・以上のほか、公証人が病院等に出張して公正証書を作成するときは、目的価額による手数料が通常の1.5倍になるほか、規定の日当(半日1万円)、旅費交通費(実費)を負担することになります。
・遺言の取り消しは11,000円
(例1)相続人が1人で相続財産が5,000万円の場合の手数料
29,000円+11,000円=40,000円
(例2)相続人が3人で相続財産が1人2,000万円の場合の手数料
23,000円×3+11,000円=80,000円
(例3)相続人が3人で相続財産が7,000万円、5,000万円、3,000万円の場合の手数料
43,000円+29,000円+23,000円=95,000円
1、公正証書遺言を発見しました。
2、それを基にして、相続手続きを進めてください。家庭裁判所に行く必要はないです。
3、破棄してしまったりしたら、公証役場にもう一度発行してもらってください。手数料はかかります。
→この記事で参考にした書籍一覧
あなたが亡くなるときに家族や親戚に迷惑をかけたくないならば
あなたの死後、財産をめぐり家族が争わないように「遺言書」を作成することはもちろんですが、それだけでは、老後、安心して生活することはできません。
例えば、あなたが、寝たきり・痴呆になってしまうと、あなたの面倒を誰が見たらいいのか?で家族や親戚がもめることになります。
そうならないように、はっきりと、誰に面倒を見てもらうかを決めておくことが大切です。その際に役に立つのが、「任意後見契約」という契約です。
もちろん、あなたの面倒を見る人に対しては、相続財産を多めに分配するといったような配慮も必要ですから、「遺言書」にも反映させるようにする必要があります。
さらに、あなたの病が進行して、手の施しようがなくなった場合、延命治療を延々と続けることは、あなたにとっても苦痛ですし、家族や親戚にとっても負担になるものです。
一切の延命治療をやめてほしい場合には、あらかじめ「尊厳死宣言書」を作成しておくと有効です。
これらの書面の作成を、遅くとも、定年を迎えたら、考えておきたいものです。
「その死に方は、迷惑です ―遺言書と生前三点契約書 」という本は、こうしたことが、一般の方にもわかりやすいようにまとめられているお薦めの本です。
ぜひ、家族みんなで一読してみてください。
葬儀後の手続き・相続手続きをもれなくこなすためには・・・
被相続人の死亡後の相続手続きについては、完全に理解できている人は少ないと思います。
たとえ、親戚が亡くなったときに、どんなことをやっていたか、話を聞いたりして、知っていたとしても、実際に自分の番になってみると、戸惑うことが多くて大変なものです。
相続財産をめぐる揉め事が無く、相続手続きさえ済ませられればよいというのでしたら、「葬儀後の手続き・相続のすべてがわかる本
」のような本を参考にするとよいでしょう。
葬儀後の手続というのは、やることがたくさんあります。
遺産の分割は、相続手続きのごく一部に過ぎません。
意外に忘れがちなことが結構たくさんありますから、「葬儀後の手続き・相続のすべてがわかる本
」に書いてある通りに手続をこなして、もれなく、手続を行うようにしたいものです。