相続手続きと戸籍事務

遺産分割協議書、遺言、公正証書遺言作成などの相続手続きと戸籍の読み方、取り寄せ、郵送の方法などについて行政書士が解説しています。


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相続放棄の手続き


どう考えても負債しかないから、相続したくない。
そんなときは、相続放棄の手続きを取ることになります。
相続開始を知ってから3か月以内に、被相続人の住所地の家庭裁判所に相続放棄の申述をする必要があります。相続放棄申述の受理は審判によってなされ、受理証明書が交付されます。
相続放棄をするには、必ず家庭裁判所に申述する必要があります。遺産分割協議書などに相続放棄すると書いてもなんら効果がないので要注意です。


<相続放棄の手続>

申述に必要な書類
・相続放棄の申述書1通 相続の放棄の申述書(20歳以上)相続の放棄の申述書(20歳未満)
・申述人の戸籍謄本1通
・被相続人の除籍(戸籍)謄本,住民票の除票各1通
※事案によっては,このほかの資料の提出をお願いすることがあります。

申述に必要な費用
・申述人1人につき収入印紙800円
・連絡用の郵便切手(申立てされる家庭裁判所へ確認してください。)

※相続放棄したら生命保険金はもらえないのか?
相続放棄したととしても生命保険金の受取人としての地位は変わりません。
もちろん被相続人が受取人であった場合は、相続財産に含まれてしまうことになりますが、被相続人以外の人が受取人として指定されていた場合は、相続財産ではないため、受け取る権利があります。

※相続放棄の3か月を過ぎてもあきらめないで!
自己のために相続の開始があったことを知ったときは、普通は親が亡くなったときが多いと思いますが、何も財産がなかった場合は、借金の請求を受けたときからとなる場合もあります。
また、相続放棄の3か月以内という申述期間を伸ばす手続(相続放棄の期間伸長)もあります。

相続放棄の手続きQ&A


未成年者の相続放棄は親権者ができるのか?

親権者が同時に相続放棄をする場合には、利益相反行為(民法826条)に該当しないので、未成年の子供を代理して相続放棄手続きをすることができます。

共同相続人の一人が他の共同相続人の全部又は一部の者の後見をしている場合において、後見人が被後見人全員を代理してする相続の放棄は、後見人みずからが相続の放棄をしたのちにされたか、又はこれと同時にされたときは、民法八六〇条によつて準用される同法八二六条にいう利益相反行為にあたらない。(最高裁判所昭和53年2月24日判決


「自己のために相続の開始があったことを知った時」の解釈

最高裁は、原則として「相続開始の原因たる事実とこれにより自己が相続人となった事実を知った時」としつつも、「相続人において相続開始の原因となる事実及びこれにより自己が法律上相続人となつた事実を知つた時から三か月以内に限定承認又は相続放棄をしなかつたのが、相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、このように信ずるについて相当な理由がある場合には、民法九一五条一項所定の期間は、相続人が相続財産の全部若しくは一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべかりし時から起算するのが相当である。」としています。

ですので、特別の事情がある場合には、3か月を過ぎても相続放棄ができることもあります。(最高裁判所昭和59年4月27日判決


特別受益証明書、相続分なきことの証明書って何?

このような文書です。(特別受益証明書、相続分なきことの証明書pdf

「私は、被相続人の死亡による相続につき、生計の資本として被相続人から、すでに相続分相当の財産の贈与を受けており、相続する相続分のないことを証明します。」

この書面に名前を書いて、実印を捺印し、印鑑証明書を添付することで、相続放棄の意思表示を表すことができます。
実務ではよく使われている書面で、長男などに遺産を集中させるために、遺産分割協議書に代わる書面として利用されています。

注意することは、この文書に署名したからと言って、正式な相続放棄を行ったことにはならないということです。この文書はあくまでも、相続人の間だけの取り決めに過ぎず、対外的に、相続放棄を宣言する効果はありません。
したがって、債権者から見れば、何の意味もない紙切れに過ぎず、負債の弁済義務から免れることはできません。

最悪の場合、遺産ももらえずに、負債だけ抱え込んでしまう事態になりかねません。
負債があるかもしれないと考えられるのであれば、必ず、家庭裁判所における相続放棄の手続きも行うようにしましょう。


この記事で参考にした書籍一覧



あなたが亡くなるときに家族や親戚に迷惑をかけたくないならば


あなたの死後、財産をめぐり家族が争わないように「遺言書」を作成することはもちろんですが、それだけでは、老後、安心して生活することはできません。

例えば、あなたが、寝たきり・痴呆になってしまうと、あなたの面倒を誰が見たらいいのか?で家族や親戚がもめることになります。
そうならないように、はっきりと、誰に面倒を見てもらうかを決めておくことが大切です。その際に役に立つのが、「任意後見契約」という契約です。
もちろん、あなたの面倒を見る人に対しては、相続財産を多めに分配するといったような配慮も必要ですから、「遺言書」にも反映させるようにする必要があります。

さらに、あなたの病が進行して、手の施しようがなくなった場合、延命治療を延々と続けることは、あなたにとっても苦痛ですし、家族や親戚にとっても負担になるものです。
一切の延命治療をやめてほしい場合には、あらかじめ「尊厳死宣言書」を作成しておくと有効です。

これらの書面の作成を、遅くとも、定年を迎えたら、考えておきたいものです。

その死に方は、迷惑です ―遺言書と生前三点契約書 」という本は、こうしたことが、一般の方にもわかりやすいようにまとめられているお薦めの本です。

ぜひ、家族みんなで一読してみてください。



葬儀後の手続き・相続手続きをもれなくこなすためには・・・


被相続人の死亡後の相続手続きについては、完全に理解できている人は少ないと思います。

たとえ、親戚が亡くなったときに、どんなことをやっていたか、話を聞いたりして、知っていたとしても、実際に自分の番になってみると、戸惑うことが多くて大変なものです。

相続財産をめぐる揉め事が無く、相続手続きさえ済ませられればよいというのでしたら、「葬儀後の手続き・相続のすべてがわかる本 」のような本を参考にするとよいでしょう。

葬儀後の手続というのは、やることがたくさんあります。

遺産の分割は、相続手続きのごく一部に過ぎません。

意外に忘れがちなことが結構たくさんありますから、「葬儀後の手続き・相続のすべてがわかる本 」に書いてある通りに手続をこなして、もれなく、手続を行うようにしたいものです。




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